カーポートの種類と選び方
目次
カーポートの基礎知識
LIXIL カーポートSC
カーポートとは、大切な車を雨風や直射日光から守るためのスタイリッシュな屋根付き駐車スペースです。
シンプルな構造ながら、車を傷めず、美しい外観を保つことができます。
設置することで、日常の使い勝手も向上し、車の寿命を延ばす効果もあります。
家の雰囲気に合わせたカーポートを選ぶことで、お住まいの外観を魅力的にすることもできます。
車も家もおしゃれに保つカーポートは、暮らしに彩りと快適さをプラスにする素敵なアイテムです。
また、防犯性を高める場合には、カーゲートの設置も重要となります。
カーポートを設置するメリット
①直射日光による劣化や汚れを防ぐ
カーポートは、車を日陰に保つことで、紫外線の影響を受けにくくなり、車の塗装が色褪せることなど劣化を防ぐことができます。
他にも、鳥のフンや樹液などしつこい汚れも直接車に落ちることを防ぐことができます。
さらには、夏の車内温度が高くなるのを防ぐこともできます。
②雨や雪による車体のダメージを防ぐ
降雨や積雪から車を守り、車体の劣化や錆を防ぐことができます。
また、冬の朝の霜や雪の影響も防ぎ、スムーズに車の出庫ができます。
③快適な乗り降りができる
最大のメリットとして、雨の日に傘を差さずに乗り降りがスムーズにできるということです。
洋服が濡れる心配もすることがなく雨の日でもストレスなく車の乗り降りをすることが可能です。
カーポートの種類
片側支持タイプ
左右の片側に柱があるタイプのカーポートとなっています。
メリット
①設置費用が安い
支持柱が少なく、シンプルな構造なので、設置する費用が安価となっています。
また、設置工事期間も短く、気軽に設置できるのが魅力的です。
②スペースを有効活用できる
片側にのみ支持柱があるため、駐車スペースを効率的に使用できます。
特に、駐車場の片側が壁やフェンスに接している場合、その側に柱を設置し、もう一方を自由に使えるのは大きな利点です。
また、車のドアの開閉や荷物の積み下ろしも快適に行うことができます。
③駐車がしやすい
柱が片側にしかないため、車の入出庫をスムーズに行うことができます。
④台数が増えた時に対応しやすい
駐車台数は、1台ですが、後でもう一つ片側支持タイプと連結させることで、駐車台数を増やすことも可能です。
⑤視覚的にスッキリする
片側支持タイプのカーポートは、視覚的にスッキリとしており、住宅の外観に自然に溶け込みます。
柱が片側に集まることで、開放感があり、全体のデザインがシンプルにまとまります。
デメリット
①構造の安定性
片側のみでカーポートを支えるため、両側支持タイプに比べて、強度と安定性が劣ることがあります。
②耐久性の問題
片側に荷重が集中するため、支持柱や屋根にかかる負担が大きくなります。
これにより、長期的に見て耐久性やメンテナンスの頻度が増える可能性があります。
両側支持タイプ
両側の柱で屋根を支えるタイプのカーポートとなっています。
メリット
①大きなスペースを確保できる
両側支持タイプのワイドの場合、広い屋根を支えることができるため、複数の車両を一度にカバーすることができます。
家族全員の車を1つのカーポートで守りたい場合に最適です。
②安全性と耐久性がある
両側に支柱柱があるため、非常に安定しており、風や雪などの天候に強いです。
長期にわたって使用することができ、メンテナンスの頻度も少なくて済みます。
③数台の駐車ができる
ワイドタイプであれば、数台の車も駐車可能です。
2台の車を駐車する場合は、合掌タイプよりも両側支持のワイドタイプの方が、費用が安く見た目もスッキリします。
デメリット
①費用がやや高い
両側に支持柱を設置するため、材料費が片側支持タイプに比べて高くなることがあります。
②柱の位置が障害になる
両側に柱があるため、車の入出庫や歩行時に柱が障害になることがあります。
特に大型車を駐車する場合や、車のドアを大きく開けたい阿合に柱の位置が不便に感じることがあります。
③見た目の重さ
両側に柱があることで、見た目が重く感じられることがあります。
シンプルで、スッキリとしたデザインを求める場合、両側支持タイプの見た目が好ましくないと感じることがあるかもしれません。
後方支持タイプ
柱が後方にあるタイプのカーポート
メリット
①柱の障害が少ない
車の側面に荷物を積む場合や、車から荷物を運び出す際に便利です。
また、車への人の出入りが多い場合や歩行時に柱による障害がなくなります。
②スペースを有効活用できる
後方に柱があることで、車の側面や前方のスペースが広く取れるため、車の入出庫がスムーズに行えます。
また、後方に柱があることで、入出庫時に視界が広く保たれ、安全に車を運転できます。
③デザイン性がある
後方に柱が集中するため、カーポート全体のデザインがシンプルでモダンに見えます。
美観を重視する方にとって、後方支持タイプは魅力的な選択肢です。
④簡単なメンテナンス
柱が後方に集中しているため、メンテナンスや清掃がしやすくなります。
スペースが広いため作業がスムーズに行えます。
デメリット
①風や雪に対する弱さ
柱が後方に集中しているため、強風や大雪などの自然要素に対する耐久性が他のタイプに劣ることがあります。
②費用が高い
設計や施工が複雑なため、他のタイプに比べてコストが高くなることがあります。
③建築基準の制約(地域によって)
地域の建築基準や規制により、後方支持タイプのカーポートを設置する際に制約がある場合がございます。
これにより、設置可能な場所や方法が制限されることがあります。
Y合掌タイプ
片側支持タイプのカーポートの柱を連結するタイプ
メリット
①広いスペースを確保できる
このタイプのカーポートは、支柱がY字型に配置されるため、駐車スペースが広く確保できます。
さらに、車の出し入れがスムーズに行え、複数台の駐車や大型車両の駐車にも対応しています。
②柔軟に設置場所を選べる
Y合掌タイプのカーポートは、その形状から設置場所に柔軟性があります。
狭いスペースや斜面など、通常のカーポートでは設置が難しい場所にも対応しやすく、さまざまな敷地条件に適応可能となっています。
③遮光・遮熱性能がある
Y合掌タイプの屋根材には、高い遮光・遮熱性能を持つ素材が使用されることが多いため、夏場の直射日光や高温から車両をしっかりと保護します。
これにより、車内の温度上昇を抑え、快適な車内環境を保つことができます。
デメリット
①連結部分に雪や雨が積もりやすい
屋根の勾配が合流する地点となるため、降った雪や雨水が集中して溜まりやすいです。
その結果、積雪が重なると、カーポートに負担がかかり、雨水が溜まることで、腐食や錆の原因になることもあります。
M合掌タイプ
片側支持タイプのカーポートの屋根を連結するタイプ
メリット
①効率的な排水を可能にする
Y合掌タイプの屋根構造は、効率的な排水を可能にします。
雨水や雪解け水が自然に流れやすく、カーポート内に水たまりができにくい設計となっています。
これにより、車両の保護だけでなく、駐車スペースの清潔さも保つことができます。
②柔軟に設置場所を選べる
Y合掌タイプ同様にM合掌タイプのカーポートも、設置場所に柔軟性があります。
狭いスペースや斜面など、通常のカーポートでは設置が難しい場所にも対応しやすく、さまざまな敷地条件に適応可能となっています。
③異なる種類を組み合わせ出来る
さまざまなデザインや機能性を追求できるため、個々の住宅スタイルや家族のニーズに合わせてカスタマイズが可能です。
左右で横幅が違うカーポートを組み合わせることによって色々な敷地に対応できます。
例えば、一部は片側支持タイプにしてスペースを有効活用し、もう一部は両側支持タイプにして強度を確保するなど、最適な配置が実現できます。
また、異なる屋根材を組み合わせることで、美観と実用性を兼ね備えたカーポートを作り上げることもできます。
デメリット
①費用が高い可能性がある
他のシンプルなカーポートタイプと比較して、設置費用が高くなる傾向があります。
特に強度を確保するために厚みのある柱やしっかりした基礎が必要な場合、コストがさらに増加することがあります。
カーポートの素材
柱の素材
カーポートの柱の材質にはさまざまな種類があり、設置する場所や目的に応じて適切な選択をすることが大切です。それぞれの材質には特徴やメリット・デメリットがありますので、以下に詳しく説明します。
1.アルミ製
アルミ製の柱は、カーポートで最も一般的に使用されている素材です。
アルミは軽量でありながら耐久性が高く、錆びにくい性質を持っているため、雨や湿気に強いです。
また、メンテナンスも簡単で、定期的な塗装や防錆処理が不要です。
アルミの柱は加工しやすく、さまざまなデザインやカラーバリエーションがあるため、住宅の外観に合わせやすいというメリットもあります。
ただし、強風や積雪の多い地域では、耐荷重性に注意が必要です。
2.スチール製
スチール製の柱は、強度と耐久性が非常に高いため、積雪地帯や強風が吹く地域でのカーポートに適しています。
特に、太いスチール製の柱は重い屋根を支えることができ、安定感があります。
スチールはアルミに比べて錆びやすいというデメリットがありますが、最近の製品は防錆処理や耐腐食性の塗装が施されており、錆の問題を軽減しています。
メンテナンスをしっかり行うことで、長期間にわたって使用することが可能です。
ただし、重量があるため、設置の際には強固な基礎が必要となり、その分施工費用が高くなる場合があります。
屋根の素材
カーポートの屋根材にはさまざまな種類があり、選ぶ際には何を優先するかを考えることが重要です。以下に、それぞれの屋根材の特徴について詳しく説明します。
1.ポリカーボネート
ポリカーボネートは、耐衝撃性と耐久性に優れたプラスチック素材で、多くのカーポートに使用されています。
粘り強い性質を持ち、衝撃に対して非常に強いため、落下物や強風の影響を受けにくいです。
防火性能もあり、温度変化によるカーポートの歪みが少なく、紫外線カット機能を備えており、車の塗装の色褪せや内装シートの日焼けを防ぎます。
また、熱線遮断機能を持つタイプもあり、夏の暑い日に車内の温度上昇を抑えることができます。
デザイン性にも優れ、透明や半透明の選択肢があり、光を取り入れながらもプライバシーを保つことが可能です。
2.FRP板(ガラス繊維強化プラスチック)
FRP板は、ガラス繊維をプラスチックに組み込んだ素材で、強度が非常に高く、耐久性にも優れています。
FRP板も熱線遮断機能を持つタイプがあり、真夏の強い日差しを遮ることで、車内の温度を低く保つ効果があります。
さらに、FRP板は表面にエンボス加工(浮き出し模様)やかすみ模様を施すことができるため、デザインのバリエーションが豊富で、個性的なカーポートを実現できます。
また、光の透過性が適度にあるため、自然光を取り込みつつプライバシーを確保することも可能です。
3.スチール折板
スチール折板は、主にガルバリウム鋼板などが使用され、耐荷重性と遮熱性に優れた屋根材です。
非常に頑丈で、雪や強風にも強い特性を持つため、積雪の多い地域や台風の多い地域に適しています。
スチール折板は遮熱効果もあり、屋根からの熱の伝わりを防ぐことで、夏場の車内温度の上昇を抑えることができます。
ただし、重量があるため、設置には強固な構造が必要であり、その分コストがかかる場合があります。
4.アルミ形材
アルミ形材は、軽量でありながらも強度があり、遮光性と遮熱性に優れた素材です。
直射日光を遮りつつも周囲の光を柔らかく取り込むため、日陰を作りながらも明るさを保つことができます。
また、錆びにくく、メンテナンスが簡単で、汚れやすい屋外環境でも長く清潔に保つことが可能です。
デザインの自由度が高く、住宅の外観に合わせてカスタマイズがしやすいのも魅力の1つです。
カーポートの選び方 11選
①駐車する車の台数を決める
まず、何台分の車を収納するカーポートにするかを考えましょう。
現在の車の台数だけでなく、将来の家族構成やライフスタイルの変化も考慮することが大切です。
例えば、子供が免許を取得する予定がある場合や、二台目の車を購入する可能性があるなら、初めから複数台対応のカーポートを選ぶと安心です。
また、カーポートのサイズや高さは、車の台数だけでなく、車種の大きさや駐車のしやすさも考慮して決定します。
②設置スペースと車のサイズを確認する
カーポートを設置するスペースの寸法と駐車する車のサイズと、をしっかり確認しましょう。
車のドアの開閉や、車両の乗り降りが快適に行えるよう、十分な幅と高さが確保されているかがポイントです。
また、複数台駐車する場合は、それに対応できるスペースが必要です。
③カーポートのサイズと高さを決める
カーポートは車のサイズに合わせて選びます。
下記のサイズ以上を目安に選んでください。
高さ:車の全高+30~50cm
奥行:車の全長+60cm以上
幅:車の全幅+100~150cm
④カーポートの支持タイプを決める
ページ上部の「カーポートの種類」でも説明した通り、カーポートの支持タイプには下記の5つの種類があります。
これらからお客様のご自宅に合うタイプを選びます。
⑤カーポートの柱・屋根素材を決める
詳細はページ上部の「カーポートの素材」で説明した通りになります。
⑥デザインと色を決める
カーポートのデザインや色は、住宅全体の外観との調和を考えることが重要です。
建物のスタイルや外壁の色に合わせたカーポートを選ぶことで、エクステリア全体の美観が向上します。
また、現代的なデザインやクラシックなスタイルなど、多様な選択肢があるため、家の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。
さらに、カーポート自体が目立ちすぎないよう、周囲の風景に溶け込むようなデザインを選ぶことも大切です。
⑦積雪・耐風性能が必要かを判断する
カーポートを選ぶ際には、設置する地域の気候条件を考慮することが重要です。
カーポートを設置する前に必ず耐積雪量と耐風圧強度を確認しましょう。
積雪の多い地域では、雪の重さに耐えられる高い耐荷重のカーポートを選びましょう。
また、強風が吹きやすい場所では、耐風性能が高く、しっかりと固定された設計のものが安心です。
耐雪・耐風性能がしっかりしているカーポートは、極端な気象条件から車を守るだけでなく、安全性も非常に高まります。
⑧コストとメンテナンスを考慮する
カーポートの選び方には、初期コストと長期的なメンテナンス費用を考慮することが重要です。
アルミ製のカーポートは錆びにくく、メンテナンスが比較的少ないため、長期的にはコストパフォーマンスが良いとされます。
一方、木製やスチール製のカーポートは、定期的な塗装やメンテナンスが必要ですが、独特の美しさや重厚感を提供します。予算と維持費用をバランスよく考慮しましょう。
⑨カーポートのオプションを決める
カーポートにはさまざまな機能があり、使用目的に応じて選ぶことが大切です。
オプションは必ずつけなければいけないものではなく、お客様のご要望に応じて対応致します。
・照明機能
照明機能が付いたカーポートは、夜間や暗い場所での車の出し入れが安全かつ便利です。
夜間の見通しが良くなり、転倒などの事故を防ぐことで、家族の安全も確保できます。
LEDライトやセンサーライトを備えたカーポートは、エネルギー効率が良く、長寿命でメンテナンスも簡単です。
また、照明があることで、防犯効果も高まり、車上荒らしなどの犯罪を防ぐ一助となります。
・サイドパネル
サイドパネル付きのカーポートは、風や雨、雪から車をより効果的に保護します。
また、サイドパネルはプライバシーの確保にも役立ち、車内の荷物が外から見えにくくなります。
これにより、防犯効果も高まり、安心感が増します。
さらに、サイドパネルは騒音の軽減や日差しの遮断にも効果があり、快適な車内環境を保つための重要な要素になります。
・収納スペース
カーポートに収納スペースを追加することで、車のメンテナンス用品やアウトドア用品、庭の道具などを効率よく保管できます。
これにより、スペースが有効に使え、整理整頓がしやすくなります。
また、必要なものをすぐに取り出せる便利さがあり、日常の作業効率が向上します。
収納スペースがあることで、外観もすっきりとし、見た目にも美しく整います。
⑩ご近所トラブルを未然に防ぐ
カーポートの設置後にご近所トラブルが起こる場合がございます。
カーポートが道路にはみ出していたり、隣の家との境界線を超えたりしないようにも注意が必要です。
また、隣家境界線に収まっていた場合でも、ギリギリに設置してしまうとカーポート上の雪や雨が隣家に落ちてしまう、日当たりが悪くなるなど、ご近所トラブルにつながりますので注意が必要です。
⑪専門業者に相談する
カーポート選びの際には、専門業者に相談することで、理想の駐車スペースを実現できます。
専門業者は豊富な経験と知識を持ち、地形やお住まいのスタイルに最適なデザインや材質を提案してくれます。
また、耐久性やメンテナンスのアドバイス、地域特有の気候条件に適した施工方法も考慮するため、安心して長く使えるカーポートが完成します。
プロの視点から適切な選択肢を知ることで、後悔のない理想の空間作りを可能にします!
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